
パティーナダイヤルとは、元の色が時間とともに変化した文字盤のことです。光、湿気、そして文字盤そのものの素材が、表面の色をゆっくりと変えていきます。同じように変わる文字盤は二つとなく、それがコレクターが探し求める理由です。この記事では、当店を通るヴィンテージのロレックスとオメガでよく見かける変化を、色と質感で分けて紹介します。
暖色系のパレット

黄土色、蜂蜜色、銅色は、もっともよく知られたパティーナの色です。左のオメガ シーマスターは深い金褐色に、右のロレックス エアキング プレシジョンは柔らかな夕焼け色に、中央のロレックス チェリーニは焦げたオレンジに変わっています。どれも暖色ですが、マット、サンバースト、テクスチャーと、表面の質感はそれぞれ違います。
寒色系のパレット、ラベンダーとグレー

色の変化は暖色に向かうとは限りません。ここにあるロレックス オイスターパーペチュアル デイトの2本は、ラベンダーと紫がかったグレーに変わっています。こうした淡い変化だけで、見慣れた時計の印象は大きく変わります。同じケース、同じデザインの文字盤でも、同じように年を重ねる表面は二つとありません。
思いがけない色、オリーブグリーン

1986年のロレックス デイトジャストRef.16030は、もともと青い文字盤でした。今は全面が落ち着いたオリーブの色調になっています。変化が均一で全体に及んでいるため、色あせた青というより、緑のデイトジャストとして目に映ります。
青の中へ

1976年のロレックス チェリーニRef.4016は、パティーナの別の表情を見せています。青緑とグレーの中に、色の斑点が点々と散っています。縦溝の入った金のケースに縁取られると、色あせた文字盤というより、小さな絵画のように見えます。
色だけではない、質感と奥行き

パティーナが変えるのは色だけではありません。ここに並べたロレックスの3本、当店で「オブシディアン」「スターダスト」「モザイク」と呼んでいる文字盤には、細かな粒子、散らばった痕、まだらな色調が見られます。ルーペで覘くと表面に奥行きがあり、手首の角度で光の受け方が変わります。
個性的な顔ぶれ

名前を付けたくなる文字盤もあります。「エンシェント・レリック」はロレックス オイスターパーペチュアルで、表面が細かなひび模様に変わっています。「ブラック・ギルト」はオメガの自動巻きで、黒く変色した文字盤に金色のプリントが残っています。「ゴースト」はイエローゴールドのロレックス デイトジャストで、黒い文字盤がグレーに近づきました。「ミッドナイト」はロレックス オイスターデイト プレシジョンで、深くまだらな黒の表面を持っています。どれも、時間が形作った一本ずつの個性です。
当店のパティーナダイヤル
当店では、在庫のパティーナダイヤルを専用のページにまとめています。色と質感を並べて比べられますので、パティーナダイヤル コレクションをご覧ください。すべて点検と整備を済ませたうえで販売しています。表参道の店舗では自然光の下で実物をご覧いただけます。